シティ対ナポリ。CLの戦術バトルをマッチアナリストが超マニアックに分析

  • ステファノ・コルシーニ&マッシモ・サッカー●解説 analysis by Stefano Corsini & Massimo Saccà宮崎隆司●構成 text by Miyazaki Takashi

 日本ではまだ馴染みがないかもしれないが、 マッチアナリストとは試合データをもとにした分析のスペシャリストである。チームを勝利に近づけるだけでなく、サッカーファンに新たな試合の楽しみ方を供給するなど、活躍の場は幅広い。

 そこで今回は、ISSE(Italian Soccer & Sport Events)を主宰し、イタリア国内の複数のクラブで専属マッチアナリストして活動する、ステファノ・コルシーニ(ACピサ1909ユース監督)とマッシモ・サッカー(エンポリFCユース監督)に、チャンピオンズリーグ(CL)第3節のマンチェスター・シティvsナポリの分析を行なってもらった。2-1でシティに軍配が上がった激闘の、 勝敗を分けたポイントとは。

スターリングのゴールなどで第1戦に勝利したシティ photo by Getty Imagesスターリングのゴールなどで第1戦に勝利したシティ photo by Getty Images
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 現地時間10月17日に相対した、ジョゼップ・グアルディオラとマウリツィオ・サッリ。今日のサッカー界において1、2を争う戦術家である両監督が率いるマンチェスター・シティvsナポリは、サッカーファンはもちろん、マッチアナリストにとっても最も注目する一戦だった。

 試合前日の会見で、サッリは「世界最強のマンチェスター・シティを相手にナポリは自らのスタイルを貫けるのか。おそらく不可能だろう。しかし、挑む義務が我々にはある」と述べている。

 ナポリの最大の武器は、相手を窒息させるようなプレスと、速く正確なパスワーク。しかし、シティのプレスとパスワークは、ナポリの一段上のレベルにある。ナポリの強さは徹底して主導権を握ろうとするサッカーに支えられているが、シティ相手にそれを実践できるのか。サッリの戦術はグアルディオラのサッカーに通用するのかという点が、この試合のポイントだった。

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