シティ対ナポリ。CLの戦術バトルをマッチアナリストが超マニアックに分析 (4ページ目)

  • ステファノ・コルシーニ&マッシモ・サッカー●解説 analysis by Stefano Corsini & Massimo Saccà宮崎隆司●構成 text by Miyazaki Takashi

 【図3】シルバにパスが通り、クロスが上がる瞬間 【図3】シルバにパスが通り、クロスが上がる瞬間 第2のミスは、シルバにパスが通りクロスが上がる7分56秒から同58秒にかけて(【図3】)。この場面で、ナポリの中央のMFであるディアワラは"ディスク(PKスポット)"をカバーするのが絶対的なセオリー。しかしディアワラは、シルバの動きに釣られて完全にポジショニングを誤っている。

 そして第3のミスは、7分59秒の場面。タッチライン際からマイナスのクロスが入ってくる攻撃に対して、DF3枚が"ネガティブ・ダイアゴナル"で守ることをナポリは鉄則としている。具体的に言うと、このシーンでは右CBアルビオルがニアポスト、左CBクリバリがゴールマウス中央、左SBグラムがファーポストのゾーンを守ることになる。しかし【図3】からもわかるように、グラムはタッチライン方向に1mほどポジションを下げてしまった。

【図4】ウォーカーのシュートを防いだ後の、スターリングがシュートする場面【図4】ウォーカーのシュートを防いだ後の、スターリングがシュートする場面 結果として、ウォーカーに1発目のシュートを打つスペースと時間を与えることになった。そのシュートはクリバリがなんとか跳ね返したが、こぼれ球をスターリングが押し込む。第2のミスの説明で記した通り、ここでこぼれ球を拾うべきディアワラは、【図4】のように自陣のゴール方向に6mほど下がった位置にいた。

 試合後、この局面でのあり得ないミスの連続を、サッリは「ペナルティエリア内の"埋め方"を誤った」と述べている。シティのクオリティの高いサッカーがミスを連続させたとも見るべきだが、果たしてサッリは、11月1日の第4節で再び対戦するシティをどういった策で封じようとするのか。

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