エイバル乾貴士、レアルに完敗も新システムのFWとして新境地を開く

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Angel Martinez/Getty Images

 サンティアゴ・ベルナベウで行なわれたリーガエスパニョーラ第9節レアル・マドリード対エイバルの一戦は、3対0とホームチームが力の差を見せつけ、今季リーグ戦ホーム2勝目をあげた。

 正直、この試合で乾貴士が先発で出場するかどうかは半信半疑だった。

レアル・マドリード戦にフル出場した乾貴士(エイバル)レアル・マドリード戦にフル出場した乾貴士(エイバル) なぜなら、守備が崩壊し連敗を続けていたホセ・ルイス・メンディリバル監督率いるエイバルは、前節のデポルティーボ・ラ・コルーニャ戦から、サイドの選手を起用しない5-3-2、もしくは3-5-2の守備を重視したシステムで戦っていたからだ。2トップには、システム変更以前から起用されている前線で体の張れる体格のあるFWセルジ・エンリッチとキケ・ガルシアがおり、乾はジョーカーとして途中出場で起用される可能性が高いと思っていた。

 確かにデポル戦は新システムで0対0と引き分け、守備の改善が見られた。だが、守備的な選手を多く起用した副作用として、攻撃が単調なサイドからの放り込みだけとなり、物足りなさを感じさせるものだったことも否定できない。サッカーは相手よりも1点でも多く得点を取ることで勝利を手にすることができるスポーツだ。

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