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夢のW杯に近づくアイスランドの本拠地は、
凄いパワースポットだった (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text&photo by Asada Masaki

 ウクライナ戦当日、太陽が西に大きく傾いたころから細かな雨が降り続いていたレイキャビクは、9月上旬とはいえ寒かった。日本人の感覚で言えば、肌寒いを通り越し、すでに冬の装いでなければ耐えられない寒さだ。

 とはいえ、地元スタッフの女性によれば、「私たちにはこれならまだまだ快適よ」。その言葉どおり、アイスランドの選手たちは寒さに動きを硬くすることもなく、いつものように勤勉で、勇敢だった。

 アイスランドは、前半こそウクライナにボールを保持される時間が長く、思うように自分たちのリズムで試合を進められなかった。ボールを奪って攻撃に転じてもパスのズレが生じ、好機を逸する場面が目立った。

 しかし、後半に入ると、一気にギアアップ。前線からの圧力をグイグイと強め、高い位置で前向きにボールを奪うシーンを作り出した。

 すると、後半開始からわずか2分、左サイドからのクロスにMFヨハン・グズムンドソンが飛び込み、相手GKと競り合ってこぼれたボールをMFギルフィ・シグルズソンが押し込んだ。電光石火の先制ゴールだった。

 その後、やや息を吹き返したウクライナに再びボールを支配される時間もあったが、60分を過ぎると、完全に試合を制圧。出足よくボールを奪った勢いをそのまま攻撃の推進力に変える、アイスランドらしい武骨で力強い戦いを貫いた。

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