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夢のW杯に近づくアイスランドの本拠地は、
凄いパワースポットだった (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text&photo by Asada Masaki

 なかでも圧巻なのは、ユーロでも話題となった"バイキング・クラップ"と呼ばれる手拍子だ。

 勝利の喜びを分かち合う試合後はもちろん、試合中にも前後半各1回、観客全員が立ち上がって手拍子を送るのだが、じっくりと間を空けて一発一発手拍子が鳴らされるたび、ピッチ内に"気"が充満していき、それが選手のパワーに変わる。スタジアム全体が、そんな静謐(せいひつ)な空気に包まれるのである。アイスランドはホームでの無類の強さを武器に、初のW杯出場へ着実に歩を進めている。

 ただし、アイスランドは首位クロアチアと勝ち点で並んでいる一方で、3位トルコ、4位クロアチアともわずかに勝ち点2差しかない。残り2試合の結果次第では、プレーオフ進出さえも逃す3位以下に転落する可能性も決して小さくはないのだ。

 ウクライナ代表の指揮官にして、かつての世界的名ストライカーであるアンドリー・シェフチェンコ監督は、「(この日の結果で)アイスランドの突破が決まったのか? トルコの突破が決まったのか?」と報道陣に向かって苛立ちを見せ、「まだ何も決まってはいない。あと2試合ある。このグループは最後の試合まで、あらゆることが起こりうる」と話していたが、その言葉は強がりでも何でもない。

 アイスランドは次節(10月6日)、眼下の敵であるトルコとアウェーで対戦する。次々節である最終節(10月9日)は、グループ最下位のコソボとのホームゲームであることを考えれば、このトルコ戦がW杯出場への最大のヤマ場となるだろう。

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