2017.09.08

「ネイマールロス」は癒えず。
バルセロナの新戦力にかかる異常な圧力

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

「ネイマールショック」

 この夏のFCバルセロナをひと言で表現する言葉だ。チームの柱であったネイマールがパリ・サンジェルマン(PSG)に移籍。多額の違約金を手にしたものの、どのクラブもバルセロナがお金を持っていることを知っており、獲得を狙った選手たちの金額は何倍にも高騰した。

 結局、バルセロナは思い描いていた補強をすることはできず、ネイマール退団後は1億500万ユーロ(約136億円)でボルシア・ドルトムントからウスマン・デンベレを、4000万ユーロ(約52億円)で中国の広州恒大からパウリーニョを獲得しただけに終わった。

 バルセロナとの契約延長がまだ合意に達していないメッシ バルセロナ加入を熱望したといわれるマルコ・ベラッティ(PSG)、フェリペ・コウチーニョ(リバプール)の移籍は、新聞紙面の中だけで終わった。それだけではない。獲得間近であったニースのジャン・ミシェル・セリも、移籍成立直前で突然のキャンセルに。そしてリオネル・メッシ、アンドレス・イニエスタとの契約延長は合意に達していない。

 これらの混乱について責任のなすりつけ合いがメディアやサポーターを通して始まっており、ジョゼップ・バルトメウ会長の不信任、退任を要求する声が日に日に大きくなっている。

 そのバルトメウ会長は数日前、カタルーニャ地元紙のインタビューの中で、ネイマールが退団したことで、「MSNにあまりにも依存していた個の力を重視したサッカーは解体される」と述べている。「組織的なサッカーをするバルセロナへと戻る大きなチャンスだ」とポジティブに物事を考えようとしているのだが、周囲の反応は冷めたものでしかなかった。