伝説の30m弾から15年。ルーニーとエバートンの、ほっこりする話 (4ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

 エバートンのアカデミー入りを果たした早熟の天才は、その後も驚異的なスピードで成長を遂げ、15歳にしてトップチームのベンチ入りを経験する。そして2002-2003シーズンの開幕前にはトップチームに帯同し、開幕戦のトッテナム・ホットスパー戦で途中出場。16歳にしてプレミアデビューを飾ったその試合で1アシストを記録し、さらに10月2日のリーグカップ戦で2ゴールを決めて公式戦初得点をマークすると、続くアーセナルとのリーグ戦で、かの伝説のゴールを叩き込んだのである。

 かくしてそのアーセナル戦の5日後、イングランドサッカー協会の規約上でプロ契約が認められる17歳となったルーニーには、マンチェスター・ユナイテッド、レアル・マドリード、ACミランといったビッグクラブとの契約締結といった噂が流れた。しかし、それらの憶測報道に惑わされたエバトニアンの不安は杞憂に終わり、自室に無数のエバートン・グッズを飾る天才児は、迷わず"我がクラブ"とのプロ契約を選択したのだった。

 結局、デイヴィッド・モイーズ監督率いるエバートンでプレーしたのはわずか2シーズン。2004年夏にはサー・アレックス・ファーガソン監督たっての希望でマンチェスター・ユナイテッドに移籍することになったわけだが、今振り返れば、ルーニーとエバートンの関係はそこで幕を閉じたわけではなかったということになる。

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