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涙、涙のブンデス最終節。
香川真司もイエローもらう気迫のプレー (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by AFLO

 しかし、そんな喜びの輪の中に指揮官トーマス・トゥヘルの姿はなかった。何か理由があったのかもしれないが、ドイツの主要各紙で報じられ続けた選手との不仲説に信ぴょう性を与えているように見えた。3位という成績は合格点と言えるが、トゥヘルの去就と来季監督人事は不透明だ。

 そして香川はといえば、ここ数試合と同様、疲れを隠せない様子でミックスゾーンに現れた。言葉を発するのと同時に空気が漏れていく、そんな感じだった。

 もっとも試合では、相手の守備が緩かったこともあり、比較的よくボールを保持しながら、ドルトムントの攻撃を仕切っていた。

「相手もバイタルの守備は緩かったので。あとはラファ(ゲレイロ)とマルコ(ロイス)といい距離感でやれれば、ある程度の相手ならやれるんじゃないかと手応えを感じた。いい感じで崩せたので、そこからもっとゴールをとるべきだったとは思うんですけど、すごくやっていて面白かったですし、あの感覚は大事にしたいと思います。次の(ドイツ杯)決勝でも見せていきたいと思います」

 32分にはロイスの同点弾もアシスト。ペナルティエリア手前で中盤からの縦パスを受け、そのまま前を向いて絶妙なタイミングでスルーパスを通した。香川は「何十回、何百回と練習してきた形」と、してやったりという表情を見せた。後半には、めったに見せない熱いプレーで今季3枚目のイエローももらう気合いの入りようだった。

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