ユベントスとレアル。CL準決勝第1戦の勝因はサイドバックにあり (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Getty Images

 対峙する関係にあったバルサの左ウイング、ロナウジーニョを完全に封じ込んだ。というより、時代の寵児だったロナウジーニョに対し、恐れるどころか、無視するように攻撃参加を仕掛けることで、その攻撃能力を鈍らせたのだ。

 サイドバックが活躍したほうが勝つ。サイドバックをいかにして活躍させるか。サイドバックでありながらマン・オブ・ザ・マッチに輝いたこのD・アウベスの活躍は、サイドバックの価値と重要性を一段と高める結果になった。

 それから10年と少し後に、今度はユーベの一員として再度、マン・オブ・ザ・マッチ級のプレーを披露したD・アウベスを見ていると、その流れがいまなお途絶えていないことが再確認できる。

 一方、モナコは、D・アウベスと対峙する左サイドバック、ベンジャミン・メンディを直前に故障で欠き、代わりに普段、右サイドバックでプレーすることが多いジブリル・シディベを置くことになった。そこがウィークポイントとなり、開始直後から、D・アウベスにガンガン突かれてしまったというわけだ。

 その結果、マンチェスター・シティ戦(決勝トーナメント1回戦)、ドルトムント戦(準々決勝)で活躍した左サイドハーフ、トーマス・レマーは沈黙。モナコは左サイドの攻撃にすっかり活路を見いだせなくなり、プレーのリズムを狂わせることになった。

2 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る