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清武弘嗣を「失敗」扱いは気の毒。
スペインでの成功に何が足りないのか (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

「スペイン語の会話力不足」

 そうした点も、清武のスペイン撤退の理由に挙げられる。

 しかし結局のところ、「賢く、クリーン」という当初の評価を更新させられなかった点が致命的だった。彼が高い期待を持ってセビージャに迎えられたことは間違いない。それはすぐ抜擢され、本人も結果を出していることでも分かる。

 ただ、スペインに挑戦した多くの日本人が、実は出だしは悪くない。中村俊輔もハーフナー・マイクも家長昭博も、すぐに先発をつかみ、出足が一番よかった。大久保嘉人に至っては、デビュー戦で鮮やかなゴールを決めた。しかし、その後を戦い抜く力がなかった。

それは柔軟性の欠如、もしくは戦闘力の低さとも言えるが、したたかに激しく戦う力が足りないのだ。

 しかも、清武が所属したセビージャは今シーズン、スペインでもレアル・マドリード、バルセロナに次ぐ地力を見せており、そもそもが厳しい挑戦だった。これを「失敗」と括るのは気の毒な気もするほどに。

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