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「ファンは来るのか?」
ゲント入団の久保裕也にベルギー記者も注目 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko

 確かにそうだ。スイスからドイツブンデスリーガに移籍するならわかる。あるいはチャンピオンズリーグに出場しているクラブであれば、4大リーグではなくてもステップアップと言えるだろう。

 そういう意味で、今季のヨーロッパリーグで1次リーグ敗退のヤングボーイズから、決勝トーナメントに進出したゲントへの移籍は、わずかな前進にすぎない。だが、久保にとってそれは大きな問題ではなかったという。

「ゲントはポゼッションサッカーで、魅力的なサッカーをするチーム。監督は僕のことをよく考えてくれているなと感じている。サッカーの面で成長したいと思っているし、成長できるクラブに来たと思っている」

 ヤングボーイズで3年半プレーした久保は、そろそろステップアップを、と考えていた。そして具体的な次のステップとして、クラブのスタイルをまず考えたのだという。それはヤングボーイズの、縦パスを放り込むスタイルの中での成長に限界を感じたということでもあった。声をかけてきたクラブの中で、ゲントのサッカーは魅力的に見えたという。ベルギーリーグもスイスリーグよりはレベルが高いと感じたそうだ。「少しでも高いレベルでプレーしたい」というのは、もちろん移籍の最大の動機であった。

 ゲントが久保に声をかけたのは16年夏だったという。だが、久保がリオ五輪出場を断念しなくてはならないほど台所事情の厳しかったヤングボーイズが、この移籍話を受け入れることはなかった。ただし、その後も交渉は続いていた。ファンハエゼブラウト監督をはじめ、スカウト陣は具体的な起用プランを久保に提示しながら交渉を行なった。

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