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吉田麻也、聖地ウェンブリーへ。
鉄壁の守りで38年ぶりの決勝に導く

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by Getty Images

 歓喜の輪のなかに吉田麻也がいた。1月25日に行なわれたリバプールとのリーグカップ準決勝セカンドレグ。劣勢のサウサンプトンが値千金の決勝ゴールを奪ったのは、後半ロスタイムのことだった。敵のCKを奪ってカウンターアタックを発動し、FWのシェーン・ロングがネットを揺らしたのだ。

リバプール相手に空中戦でも強さを見せた吉田麻也リバプール相手に空中戦でも強さを見せた吉田麻也 ファーストレグを1−0で勝利していたサウサンプトンは、この得点で2試合合計のスコアを2−0とした。勝利をほぼ手中に収め、選手たちは喜びを爆発させる。ピッチ後方にいた吉田もスコアラーのロングのもとまで突っ走り、芝生の上を両ひざで滑りながらチームメイトの輪に飛び込んでいった。その3分後、1−0のまま試合終了のホイッスルが鳴り響く。1978−1979シーズン以来、38年ぶりとなるサウサンプトンの「リーグカップ・ファイナル進出」が決まった瞬間だった。

 試合前は苦戦が予想されていた。敵地アンフィールドでの大一番を前に、DFフィルジル・ファン・ダイクが負傷離脱。英メディアに「今季ベストDFのひとり」と評されるオランダ代表センターバック(CB)を欠き、代わりに22歳のDFジャック・スティーブンスを起用しなければならなかった。

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