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吉田麻也、聖地ウェンブリーへ。
鉄壁の守りで38年ぶりの決勝に導く (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by Getty Images

 しかも、試合序盤からリバプールがボールを支配し(試合後のボール支配率は73%)、サウサンプトンにとって苦しい展開が続いた。公式戦8試合連続の先発出場となった吉田と、若いスティーブンスのCBコンビの出来が、勝負の行方を決めるといっても過言ではなかった。

 そのなかで日本代表DFは、「堅実な守備」と「的確なコーチング」で最終ラインを支え続けた。

 攻め込まれても、素早い寄せと力強いブロックで突破を許さず、敵の攻撃を跳ね返していく。「頭のなかで『守備』と割り切っていた」(吉田)と言い、リバプールが試合終盤に見せたロングボール攻撃も、空中戦で潰していった。

 状況判断も的確だった。守勢時にはボールホルダーを注視しつつ、頻繁に首を左右に振って、周囲の状況を確認。ノーマークの敵がいれば、素早く味方に指示を出してケアしていた。「堅実で良質のパフォーマンス」と英紙『デーリー・ミラー』が吉田を褒めたように、最後まで集中力を切らすことなく、クリーンシートの勝利に貢献した。

 サウサンプトンにとって歴史的勝利となったこの一戦から伝わってきたのは、ひとつのゴールで勝負が決まりそうな緊張感だった。ファーストレグは1−0でサウサンプトンが勝利。セカンドレグでは追いかける立場のリバプールが攻めに転じ、サウサンプトンは守勢にまわった。

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