冗舌になったベッカムが語る。「最高の選手はジダンとロナウド」 (2ページ目)
一番の心残りは?──と、誰かが聞いた。
「イングランド代表で何も勝ち取れなかったことです」と、ベッカムは答えた。
ベッカムが35歳くらいのころに、彼のマネージメントチームは、ベッカムに現役を引退し、「ブランド」としての仕事に専念してほしいと望んでいたという。しかしベッカムは現役を続け、最後まで自分を高めようとした。
シュートやパスに加えているお得意の「ベンド(カーブ、ひねり)」については、「これで十分だと思ったことはありません。もっとうまくなれるんじゃないかと、ずっと思っていました。38歳になったときでも」と、ベッカムは言った。
ようやく引退したとき、ベッカムはユニセフ(国連児童基金)へ行き、自分にもっと仕事をさせてほしいと頼んだ。彼はユニセフの仕事と真剣に向き合った。ヨハネスブルクのイベントでも、台風で壊滅状態になったフィリピンの町に住むある父親と会ったときのことを話した。
風雨が強まり、自宅が浸水し、父親は屋根の上に逃げた。9歳の子どもを抱いていた。妻は4歳の子を抱いていたが、ついに力尽き、その子を夫に預けた。
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