岡崎、香川がゴールしても、
CLのグループリーグが退屈になったわけ (4ページ目)
ところが、今年8月に決まったはずのこの来シーズンからのフォーマットは、再び見直されるかもしれない。9月の会長選で勝利したアレクサンデル・チェフェリン新会長は、当選直後に、「(CLのフォーマット変更について)我々は正しく知らされていなかった。今でもそう思っている」と話し、徹底的に精査する可能性をほのめかした。
このスロベニア人の法律家はこれまでほとんど無名だったが、UEFAランキング下位の中小国のサッカー協会に担がれて立候補したといわれている。そして、経験豊富なライバルに大きく差をつけ、フットボール界で最も大きな力を持つポストのひとつに収まった。
FIFAのゼップ・ブラッター元会長やプラティニ元UEFA会長もそうだったが、当選するには数で勝る中小国を味方につけるのが「最も賢い戦術だ」ということをチェフェリン新会長も知っていた。しかし、当選を果たしたあとは彼らとの約束を守らなければならない。とはいえ、有力クラブたちの力も強大なため、強固な姿勢を貫くことはせず、現実的な中間点を模索することになるだろう。
欧州フットボール界の明日はどっちだ──。僕のようなニュートラルなファンは、単純にシビれる試合を見せてもらいたいだけなのだが、世界で最もポピュラーなスポーツとなったフットボールは一大ビジネスになって久しく、政治やら駆け引きやらカネやらによって、これからも重要なことが決定されていくのだろう。
欧州強豪国のリーグでもチーム力の格差は広がっており、CL8強以降の顔ぶれはますます変化に乏しくなる気がする。もちろんそこにもスペクタクルはある。しかし時には、予定調和が破られるところが見たいと願うのは、僕だけではないと思う。
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