鈴木大輔が語る、スペイン2部リーグの現場で何が起きているのか (3ページ目)
一方、強敵たちとの対戦は、ピッチに立つ鈴木自身を1分1秒の単位で鍛錬した。
右サイドバックとして相対して印象に残っているの は、昨季まで1部で戦っていたコルドバの左利きMFフィデル。センターバックとしては、アルメリアの10番を背負ったホセ・ポソだった。ホセ・ポソはレア ル・マドリードの下部組織からマンチェスター・シティに渡り、期限付き移籍していた有望な若手である。リーガ2部には老練なベテランやバルサやレアル・マ ドリード育ちの元エリートがどのチームにもごろごろといる。
ナスティックでも、鈴木がセンターバックの座を奪ったイアゴ・ボウソンは各年 代のスペイン代表を経験し、1部で100試合近くに出場、プロ18年目のベテランである。左利きのMFセルヒオ・テヘラは、15歳でチェルシーの下部組織 と契約。アシール・エマナはW杯カメルーン代表、ゲオルギ・アブルヤニアは10代からジョージア代表、レビ―・マジンダはガボン代表と、各国代表選手も擁 する。
そこでは名前や経歴は通用しない。日々、実力やコンディションによって、順列はアップデートされる。
「(ビセンテ)モレーノ監督が、試合ごとにいい選手を使う、という人でよかったです」
鈴木はピッチでの出来事に集中した。
「モ レーノは、レイソルのネルシーニョに似ているかもしれません。監督のタイプとしてはモチベーター。戦う雰囲気にするのがうまい。調子のいい選手をどんどん 使う点も。自分は主力の出場停止で右サイドバックに抜擢されて定着しましたが、外れた選手はキャプテンでした。日本なら考えられません! センターバック で使われるようになったときも同じ状況で、前半戦はレギュラーで、1部で実績のある選手が次はベンチ外でしたから」
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