バルサ戦のカギ握るアトレティコのグリーズマン。「10クラブで落とされた」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

 グリーズマンはフランス、ブルゴーニュ地域のマコンに生まれている。マコンは人口3万5000人ほどの小さな町。彼は幼少期、地元の UFマコネーという無名クラブに所属していた。憧れの選手はリヨンのゴールゲッター、ソニー・アンデション。点取り屋としての沸き立つ血をすでに感じていたか。

「幼い頃のグリーズマンは、パウロ・フットレを思い出させる選手だった。小さくて、すばしっこくて、ボールを持ったら突っ込んでいく。ドリブラーと言っていいだろうね」

 地元クラブの関係者は振り返る。だが当時は背が低く細身で、プロクラブの下部組織入団のテストには片っ端から落ちていた。

「10クラブで落第したよ。『悪くないけど、ちっちゃいから』なんて言われて。いつも同じ理由でうんざりだった」と本人が告白しているように、決してエリートではない。

 13歳のとき、スペインのレアル・ソシエダのスカウトに才能を見込まれた(サンテティエンヌのトライアル生としてパリの大会に出場していた)。実家を離れて寮で暮らすことになった彼は、強烈なホームシックにかかった。言葉の問題もあり、異国での生活に慣れなかった。

 しかしプレーヤーとしては着実に成長を見せた。

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