バルセロナをしのぐバスクの選手製造工場、ソシエダのスビエタとは? (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

「例えばオヤルサバルは10代にもかかわらず、腰が強い。相手を抑えながらターンし、威力のあるシュートを打てる。マッチョな選手がいることは確かだろう。しかし強い肉体よりも、強い精神がバスク人を強く見せる。競争の中で敵と味方をリスペクトし、全力で戦い続けられる。その矜持こそが、我々を強くたくましく見せるのだ」

 雨が降りしきるスビエタには、ベリオの試合を観に多くの観客が訪れていた。

<ホイッスルが鳴るまで闘い続けろ!>

 選手はシンプルなメッセージを肌で受け取る。相手より一歩、前に出ようとする。敵がたまらずファウルをすると、審判の笛よりも早く、スタンドが自分たちの選手を守るように怒声をあげる。選手は何事もなかったように毅然として立ち上がり、自分のポジションに戻っていった。


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