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リバープレートを圧倒。理想の王者バルサから何を学べるか (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 守備的サッカーで臨んだ理由は、勝ちたかったから。正攻法では勝てないと踏んだから。大敗を恐れたからではないと思うが、結果は監督の思惑とは正反対の屈辱的大敗。試合にならない敗戦だった。

 ガジャルド監督率いるリバープレートは、バルサに対してどう出るか。引いて守ってしまえば4-0以上の大敗だが、正攻法で臨めばそれ以下。少なくとも試合にはなる。4年前の結果に基づけば、そんな予想が成り立った。

 スコアは3-0。支配率は63対37だった。意図的に引いて守らなかったことが奏功した。少なくとも試合になった大きな理由の一つと考えられる。敗れたけれど選手、監督、そして大挙駆けつけたサポーターの表情は、4年前のサントスより、格段に誇らしげに見えた。

 それはある意味でバルサ的だった。ルイス・エンリケ監督は試合後の会見でこう力説した。「バルサはクラブとして、よいサッカーの魅力を世界のファンにアピールしている。世界のどの国のファンも大切にしているし、世界各地で応援してもらっていることも知っています」と。

「バルサは、勝利と娯楽性をクルマの両輪のような関係で追求しているクラブだ」とこちらに語ってくれたのはバルサ監督時代のクライフだが、それはこの日のルイス・エンリケの言葉に置き換えれば「よいサッカー」となる。そのよいサッカーを、この日のリバープレートも実践しようと心がけていた。バルサに対し、正面から向き合い、そして0-3で敗れた。

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