イタリア人記者が内情を書く。「本田圭佑がミランを去る時がきた」 (3ページ目)

  • パオロ・フォルコリン●文 text by Paolo Forcolin 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 かつてマルディーニが同じようなことを言ったことがあるが……それはマルディーニだからだ。なぜ本田が? なんの権利で? もしかしてミランに放出してもらいたいのか? そしてチャンピオンズリーグをプレーするようなチームに移籍したいのか?

 しかし本田の顔を見ても、いつも通りそこには何の感情も浮かんでいない。言いたいことを言ったあとは、ただあるがままの運命を受け入れるといった感じだ。ただ、本田は後先考えずに思ったことを口にしてしまうバカ者ではない。こうした発言をすればミランに波紋が起こることも、その波が結局は自分に降りかかってくることも、わかっていたはずだ。

 思うに、全ては計算づくのことだったのではないか。彼のミランとの契約は2017年の6月30日まで。まだ期限の日まで1年半ある。そして本田はあと半年で30歳となる。サッカー選手としては円熟した年齢だ。もしこの冬、ミランが彼を売ろうとするなら、それを受け入れるかどうかは本田次第だ。移籍先を選ぶことができる。

 つまり、今ならまだ本田自身が主導権を握れるということだ。それにうまくいけばすぐにチャンピオンズリーグでプレーすることさえできる。例えばバレンシア。オーナーも会長もシンガポール人だし、監督はポルトガル人。国際色豊かな雰囲気でプレーできる。

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