本田圭佑にも影響。
イタリア人記者が暴露するミラン補強失敗の舞台裏 (4ページ目)
そして来季のチャンピオンズリーグ出場権(リーグ3位以上)を得ることで投資を回収し、次なる補強を進めていく。
これが昨季終了と同時に描かれた戦略だったが、寸前にまで漕ぎ着けていたイブラヒモビッチ獲得交渉は、あろうことかクラブ内部の反ガッリアーニ派によって潰される格好となった。
この「イブラヒモビッチ復帰」の情報を6月につかんでいた筆者は、だからこそ次のように繰り返してきた。『イブラヒモビッチ擁するミランはスクデット(リーグ制覇)候補の筆頭に躍り出る。だが、イブラヒモビッチなきミランは、昨季と同様、並のチームでしかない』。
もちろん、ミハイロビッチ監督が固い結束を誇るチームをつくりあげる可能性もゼロではない。だが、残念ながら「イブラヒモビッチのいないミランは並のチームである」という見立てに誤りはなさそうである。
今季第1節、アウェーでのフィオレンティーナ戦。ベルトラッチ、デ・ヨング、ボナヴェントゥーラからなる中盤で臨んだミランは、「高いDFライン」の設定を戦術の基本としたが、案の定まったく機能せず、敵に何度も決定機を与え、敗れるべくして敗れた。
続く第2節、ホームでの一戦。地方クラブのエンポリを相手に勝ったとはいえ、サッカーの質では圧倒されていた。これも昨季と変わらぬ光景だ。特筆すべきは、この試合でミランが中盤の構成を変え、トップ下に本田ではなくスソを起用した点だ。これは、今のミランに明確な戦術プランが決定的に欠けていることを意味する。
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