本田圭佑にも影響。
イタリア人記者が暴露するミラン補強失敗の舞台裏 (2ページ目)
戦略なきメルカート(選手移籍市場)、いや、失敗したメルカート戦略の結果と言うべきか。今夏のミランの移籍市場における動きは、文字どおり混迷を極めていた。
まずは監督人事。当初はアントニオ・コンテ(現イタリア代表監督。前ユベントス監督)の就任がほぼ100%の確率で決まるとされていたがこれに失敗した。続いて"ミスター・ビー"(タイの実業家ビー・タエチャウボル氏)が「運んでくる」とされた4億8000万ユーロ(株式48%の買収額)は、移籍市場が締め切られる8月31日までに到着しなかった。そして、これにより約束されていたはずのMFコンドグビアとFWジャクソン・マルティネスの獲得は夢と消えた。
※コンドグビアはインテルへ移籍。ジャクソン・マルティネスはアトレティコ・マドリードへ移籍した。
強化担当であるガッリアーニは、その失態を挽回すべくMFベルトラッチを獲り、ジャクソン・マルティネスに代わるFWとしてFWカルロス・バッカを手にし、加えてFWルイス・アドリアーノとDFロマニョーリも獲得。だが、この超一流ではない4人の獲得に費やした額だけですでに8000万ユーロ(約108億円)に達している。
問題は、これほどの資金を投じておきながら、そこに「いかなる戦術を柱とするのか」という最も重要なピッチ上の戦略が見事に欠落していることだ。今季開幕からの3戦の結果が物語るように、上記4選手はいずれも個々の実力は一定のレベルにあるとはいえ、チームの柱にはなり得えない。
2 / 6