会長続投で証明。「バルサの父」クライフの影響力低下 (5ページ目)

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper  森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki

 実際に申し入れはしたのかと、僕は尋ねた。「いや......」と、彼は口ごもった。「ときどき接触はあるのだが、ヨハン・クライフは、その......とても忙しいから」

 バルトメウの話をまとめると、彼はバルセロナのチャリティー部門にクライフのチャリティー団体と共同で仕事をさせたいらしい。バルトメウはクライフから影響力を奪い、彼をクラブの「お飾り」にしたがっているようだった。そして彼は、先日の会長選に勝利した。

 ロセイとバルトメウが会長を務めてきた間、クライフは舞台のそでから批判を続けていた。バルサが昨年夏にルイス・スアレスを獲得したとき、クライフはデ・テレフラーフ紙のコラムにこう書いた。「スアレスを獲得しても、どうにもならない。どうしたらメッシとネイマールとスアレスの3人を使って、いいチームを作れるのか。3人の個人。そう、バルセロナはチームプレイよりも個人プレイを選ぼうとしている」

 バルサが昨季3冠を達成すると、この言葉はあまりに的はずれなコメントとして記憶されることになった。
(つづく)

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