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痛しかゆし? 名将たちが編み出した「メッシの止め方」 (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

 そしてこの計略を成功させたもう一つの理由は、本来は左サイドバックのヨン・アルネ・リーセを左サイドハーフに用いた点にある。リーセはメッシを挟み撃ちにしながら、アルベロアが中に引きずられたときには本来の左サイドバックに成り代わり、空いたスペースをケアしていた。

<ディフェンスセンスと走力に恵まれた右利きのサイドバックを左に置き、本来の左サイドバックを一つ前に置く>

 その戦術策こそが、メッシを止める唯一の秘策と言われる。

 2009~10シーズンにレアル・マドリードを率いたマヌエル・ペジェグリーニも、この手立てを採用した。アルベロアを左サイドバックに置き、マルセロを一つ前に配し、メッシの躍動を最小限に封じ込めている。試合そのものは敗れることになったが、効果はてき面だった。

 そして2014~15シーズン、マラガのハビエル・グラシア監督は右サイドバックのミゲル・トーレスを左で用いてメッシを封じ、なんとバルサ戦は1勝1分けと勝ち越している。この成果は特筆に値するだろう。

 なにより、バルサでメッシを覚醒させた指揮官でもあるジョゼップ・グアルディオラ(バイエルン)が、2014~15CL準決勝では、右サイドバックであるラフィーニャを左サイドに置いていた。もっとも、これは機能せずに終わっているのだが……。

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