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痛しかゆし? 名将たちが編み出した「メッシの止め方」 (5ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

 この策は必ず効用が認められるものではない。“副作用”も見られる。メッシ対策にかまけることで守備全体の統率はおろか、攻撃に関してはほとんど機能しなくなってしまうこともあり得る。

 なにより、超人メッシは包囲網に適応する異能を持つ。

 例えばこの策に対し、バルサではすでに対抗策を生み出した。その一つが、メッシがあえて中に入らずにウィングのように外で開き続け、中にできたスペースを右サイドバックのダニエル・アウベスに走らせるというもの。もう一つは2014~15シーズンのCL決勝ユベントス戦のように、プレイメーカーとして下がった位置を保ち、逆サイドに決定的パスを通して得点を生み出すこと。相手の守備に応じ、自らを進化させる。そこにメッシのメッシたる所以がある。

 しかしコロンビア戦のように、策には一定の効果もある。特効薬ではないが、対戦相手はそれにすがらざるを得ない。メッシとは、それほどに得体の知れない存在なのだ。

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