痛しかゆし? 名将たちが編み出した「メッシの止め方」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

 南米チリで開催されているコパ・アメリカ。6月27日、準々決勝でコロンビアはリオネル・メッシ(バルセロナ)擁するアルゼンチンに挑んでいる。

 コロンビアを率いる知将、ホセ・ペケルマンはアルゼンチン人監督であり、アルゼンチン代表とリオネル・メッシを熟知する人物。彼が強大な敵を封じるために採用した策は、「マンマークで人を潰す」という守備重視の"負けない"戦いだった。肝心のメッシ対策としては、本来、右サイドバックでタフなマーキングが持ち味のサンティアゴ・アリアス(PSV)を、左サイドバックに配置。右利きのアリアスに、中央にボールを持ち込むメッシの左足を徹底的に封じさせた。

メッシ(右)のマークについたアリアス(コロンビア)メッシ(右)のマークについたアリアス(コロンビア) しかし前半10分過ぎからメッシが中央にポジションを取ったことで、パブロ・サバレタ(マンチェスター・シティ)やルーカス・ビリア(ラツィオ)が左サイドで自由を得る。ペケルマンは23分で見切りを付け、FWテオフィロ・グティエレス(リバープレート/アルゼンチン)に代え、MFエドウィン・カルドナA(モンテレイ/メキシコ)を投入して守備を補強。ほとんど攻めを捨てたが、アルゼンチンの攻撃も最小限に抑え込んだ。後半70分を過ぎてメッシ番だったアリアスの足が止まり始めると、指揮官は左サイドバックのスニガ(ナポリ)と入れ替わらせ、90分を0-0で凌(しの)いでいる。

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