CLでレアル下す。ユベントスにとってこの1勝の価値とは? (2ページ目)
相手との実力差を認めたうえで立てられたゲームプランといえば、確かにそれが奏功したと言える。しかし、それは同時に、90年代にヨーロッパを席巻した名門ユベントス、さらに言えばイタリア勢の凋落ぶりを改めて痛感させられる戦い方でもあった。少なくとも、90年代をよく知るファンの中には、ある種の寂しさを感じた人もいたのではないだろうか。
考えてみれば、ここ数年のチャンピオンズリーグにおけるイタリア勢の大不振は目を覆いたくなるレベルにある。つい先日、国内リーグ4連覇を達成したばかりのユベントスが準決勝に駒を進めたのは、準優勝した2002~2003シーズン以来のこと。今から12年前の話だ。イタリア勢としても、ジョゼ・モウリーニョ監督率いるインテルが優勝を遂げた2009~2010シーズンを最後にベスト4に駒を進めることができていない。
90年代に数々の名勝負を演じたユベントスとレアル・マドリードの現在の実力を比較しても、同じようなことが言える。
たとえば両チームのタレントを見ればその差は一目瞭然だ。現在ユベントスで真のワールドクラスと言えるのは、MFアンドレア・ピルロ、GKジャンルイジ・ブッフォン、そしてテベスと、いずれも30歳を過ぎたベテラン勢のみ。この試合を負傷欠場したMFポール・ポグバは若きワールドクラスだが、実績としてはまだこれからの選手だ。
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