本田圭佑にまたブーイング。サポーターたちの真の標的
オフィシャル誌編集長のミラン便り2014~2015(25)
土曜日(3月21日)の夜の試合、ミランはカリアリ相手にホームで3-1と勝利を収めた。約1ヵ月半ぶりの勝利にミランはほっと安堵の吐息をついた。今週末は代表戦があるためリーグ戦は小休止。その間の2週間を、インザーギと選手たちはどうにか心穏やかに過ごせそうだ。
カリアリ戦に先発した本田圭佑(BUZZI/FOOTBALL PRESS) しかしいいことばかりではなかった。ミランの最も過激で熱いサポーター、ウルトラスは伝統的に南ゴール裏――通称クルバ・スッド――に陣取っている(ちなみに反対側の北ゴール裏――クルバ・ノルド――はインテリスタの場所だ)。ダービーなどのビッグマッチでは、このゴール裏で繰り広げられる応援合戦も見ものの一つになる。サポーターたちは毎回趣向を凝らした横断幕などをかかげビジュアル的にもすばらしい。
ただこの日、ミランの応援をリードしていたのは、クルバ・スッドではなく、その反対側のゴール裏だった。この日はミランが毎年夏に世界各国で行なっているサッカースクール、ミラン・ジュニア・キャンプ・デーとされ、世界中からやってきた400人の子供たちが、選手たちに惜しむことない熱い声援を送っていた。
しかし子供たちの熱気とは対照的に、熱いサポーターが集うはずのクルバ・スッドは空っぽだった。サポーターのサイト、www.curvasudmilano.itと、今流行りのSNS、#SAVEACMILAN.の呼び掛けで、ウルトラスたちはこの日ストに踏み切ったのである。選手たちを孤立させることで、今のチームの現状と不透明な今後のプロジェクトに対する抗議の気持ちを表明したのだ。
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