本田圭佑が真の10番になれるかは、この2試合にかかっている (2ページ目)
しかしこの試合に本田圭佑は出ることが出来なかった。10日前の捻挫がまだ完治していなかったからである。ただセードルフの信任厚い本田は、次の大事な2試合の重要なコマとして考えられているだろう。そう、今後続く2試合は今シーズンのミランの運命を決定づける大事な、非常に大事な試合なのだ。
まず4月25日にミランはアウェーの地でトッティ擁するローマと対峙する。好調のローマは現在2位。ユベントスと共に今シーズンのセリエA最強のチームとされている。ローマは現在首位のユベントスと8ポイント差、スクデットを勝ち取るためには1試合も落とせない状況だ。そんなローマに対し、下馬評はミラン不利だが、先日フィレンツェでフィオレンティーナに勝利したことを考えれば、オリンピコでミランが歓喜の声を上げることも決して不可能ではない。
そしてローマ戦の後の5月4日にはインテルとのダービーが待っている。現在インテルはミランのすぐ上の5位なので、この試合に勝てば一気に点差を縮め、ヨーロッパリーグ出場への最大のチャンスとなる。それになによりも同じミラノの2チームが激突するダービーは、選手にとってもサポーターにとっても特別な試合だ。前半戦のダービーでは敗れているだけに、ミランとしてはどうしても勝っておきたい。
この二大ビッグマッチはミランにとってだけではなく、本田にとっても大きなチャンスとなり得る。本田がキエーボ戦で見せたような聡明さと、ジェノア戦でみせたようなゴールを決めることができたら、これまでの非難は何処へやら、本田は一躍ミランのスターとなるだろう。サポーターは彼を心から愛し、サンシーロ中が彼の名を叫ぶ。そしてチームにとっても欠かせない重要な選手となるはずである。いわば真の背番号10になれるかどうかが、この2試合にかかっているのだ。
たぶん本田自身もそれは十分に理解していて、だからこそケガからの復帰も慎重になったのだろう。それはリボルノ戦前日の本田とガッリアーニ副会長との会話からもうかがえた。
「本調子に戻るまでにはあと2日は必要です」
本田はそう言って欠場を決めた。シーズン最後の、そしてミランでの大きな飛翔に向けて、今、本田は準備中だ。
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