マンU香川真司、今季プレミア初先発。出場時間45分の意味 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by GettyImages

 0-0で試合を折り返したにもかかわらず、後半に入ってから先制され、一度追いつきはしたものの、最後は勝ち越された。結果は1-2。マンUはウェストブロムウィッチに、1978年以来、実に35年ぶりのオールド・トラッフォードでの勝利を献上した。これでは香川が憮然とするのも仕方がない。

「フィーリングは悪くなかったけど、ボールに絡む回数が少なかった」(香川)
 
 後半、姿を見せなかったのが香川自身の意思だったことは容易に想像がつく。今季ここまで香川の先発は3試合で、フル出場はまだない。当初モイーズは「日本代表に行っていてここで過ごす時間が少ないから」と、出場機会が少ない理由を語っていた。だがこの3試合を見る限り、問題は時間ではなく、モイーズの香川への評価が決して高いとは言えないことだろう。モイーズはこの日も地元記者の質問に対して、こう答えている。

「真司には、自分に何ができるかを示すチャンスを与えられているということを感じて欲しい。彼のベストポジションは10番(的なトップ下のポジション)かもしれないが、日本代表でも彼は左サイドでプレイしている。彼にとって慣れていないポジションだということはない」

 その言葉を聞く限り、香川は左でももっとやれるはずで、現在のプレイに納得していないということが伝わってくる。

「大会が多くあるので、各選手が切磋琢磨してくれることを望む」

 つまり、まだまだだと言いたいようだ。

 香川を左でプレイさせることが問題なのだと見るメディアもある。例えばデイリーメール(電子版)は「ファーガソンがドルトムントから香川を獲得した時には、将来的にルーニーにとって代わる存在だと見込んでいた。だがモイーズは、ルーニーを中心に考えている。香川を左として見ているが、彼には合っていない」と断言している。ファンからも香川の出場を望む声が少なくないだけに、起用法が問題だという意見である。ただしファーガソン時代も左で起用されることはあったわけで、ポジションだけが問題だとは言えないだろう。

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