序盤好調のナポリ。新加入イグアインがファンに愛される理由

  • アントニオ・ジョルダーノ●文text by Antonio Giordano
  • 内海浩子●翻訳 translation by Uchiumi Hiroko

 セリエAでローマに次ぎ2位につけるナポリ。序盤の好調の立役者は、今季レアル・マドリードから加入したゴンサロ・イグアインだ。サポーターが彼を熱烈に迎えたのには理由がある。コリエレ・デッロ・スポルト紙ナポリ担当記者が、その"偏愛"ぶりをレポートする。

第4節ミラン戦でゴールを決めたゴンサロ・イグアイン(ナポリ) photo by GettyImages第4節ミラン戦でゴールを決めたゴンサロ・イグアイン(ナポリ) photo by GettyImages 我々ナポリとブエノスアイレスは常に一本の糸で結ばれている。ナポリはブエノスアイレスを、そしてアルゼンチンを肌で知り、六感で感じ取る。それはアルゼンチン人もまた同じ。雲の上からナポリ・カポディキーノ空港へと向かう飛行機の中で、町中へと近づく中で、この町の無秩序な興奮とカオスが彼らに我々との結びつきを呼び起こさせる。

 ゴンサロ・イグアインはエディンソン・カバーニの後継者としてナポリへ降り立った。昨季セリエAの得点王である以上に、3シーズンの間にナポリのために叩きこんだ104ゴールによって我々はカバーニに魅了され、溺愛した。だが、6400万ユーロ(約83億円)という大金が両者の道を違えた。カバーニはパリへと旅立った。

 ぽっかりとした如何ともしがたい空虚を埋め、世界中に散らばる600万人のティフォージを落ちつかせるにはひとつの方法しかないとフロントは判断した。それは言わずもがな、ディエゴ・アルマンド・マラドーナ(※)と同じ、アルゼンチン選手によってである。

(※)マラドーナは1984年から1991年までナポリに所属した。

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