シャルケ本戦進出。内田篤人「チャンピオンズリーグはマジだから」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • ロイター/アフロ●写真 photo by AFLO

「相手が裏を狙ってきていてカウンターが怖いから、あまり上がりたくない時間帯だった。だからベンチに、『オレ、上がらないよ』と言った矢先だった。ベンチはオレに『上がれ、上がれ』と言ったので、『そっちが上がれと言うから上がった』という状況で、上がってみたらアシストになった。もちろん、あの場面は行けるだろうという判断と、ジョーンズからパスが来るだろうという予測はあったけど。でも、上がらない方がいいだろうと思ったのに、上がったらアシストになるなんて、こういうこともあるんだなと思った。オレにとっては大きいアシスト」

 自らうなずき、内田は納得したような表情を見せた。

 試合は後半、シャルケがPAOKに2度追いつかれる展開となった。さらにジョーンズが2枚目の警告を受けて退場。苦しい状況が続いたが、試合終了間際に3点目を決め、決着をつけた。

 この日は終始軽快な動きを見せた内田だが、週末のリーグ戦、ハノーファー戦を回避できたことがこの日の出来につながった、と説明する。

「ハノーファー戦の前に右ももに少し張りがあったんだけど、スタッフから『ハノーファー戦はどうする? 途中から出したら100パーセントでできるか?』と聞かれて、『大丈夫』と言ったんだけど、向こうがもう1度、同じことを聞いてきた。それで『いや、難しいから別の選手を連れて行って欲しい』と言ったの。オレは聞かれたらいつでも『行けます!』と言うタイプだから、ちょっと勇気の要ることだったんだけどね。相手はこっちのことを分かっているから2回、聞いてきたんだと思う」

 シャルケでの4シーズン目を迎えている内田だが、長い期間ひとつのチームでプレイするメリットは、そんなやりとりにも表れている。

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