CL決勝前夜に両チームの監督・選手が語った心境

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by Getty Images

 ロンドンは寒い日が続いている。もう5月下旬にもかかわらず、最高気温は10°C前後、最低気温は5°C前後という状態だ。BBCの天気予報によれば、今年の春は1979年以降では最も寒く、観測史上でも6番目に寒い春なのだそうである。

 だからというわけでもないだろうが、5月25日にUEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝を迎えるというのに、ロンドンはいまひとつ盛り上がりに欠けている。

今年のCL決勝はウェンブリースタジアムで開催。昨年はロンドン五輪のサッカー決勝が行なわれた今年のCL決勝はウェンブリースタジアムで開催。昨年はロンドン五輪のサッカー決勝が行なわれた 試合前日の24日、ロンドン中心部を歩いてみても、試合に関連づけたポスターなどの広告を見かけることはほとんどなく、ドイツから駆け付けたであろうサポーターの姿もまだまだ少ない。決戦を前に、よくも悪くも浮かれた感じがないのだ。

 試合前日にして、すでにお祭り騒ぎだった昨季決勝の舞台、ミュンヘンのことを思い出すと、あまりの違いに驚かされる。

 とはいえ、昨季とは条件が異なるのだから無理もないところではある。ロンドンの人たちにしてみれば、ボルシア・ドルトムント対バイエルン・ミュンヘンというドイツ勢同士の試合など、さしたる関心はないだろう。

 それとは対照的に、昨季は地元バイエルンが決勝に勝ち上がってきていたのだから、盛り上がるなというほうが無理な相談だったのだ。しとしとと断続的に雨が降るロンドンの街は、思いのほか静かに決戦の日を迎えようとしている。

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