【CL】ユーベを圧倒。今季のバイエルンが強い理由は? (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

「バイエルンは良い試合をした。相手が強すぎた。相手が上だったと認めるしかない。我々としては既にこのステージにたどり着いたことを誇りに思うばかりだ」

 もちろん、ユベントスがセカンドレグでこのまま何もせずに終わるとは思えない。それでも、この日の90分に関していえば、敗北宣言をするしかなかったのだろう。

 一方、バイエルンのハインケス監督はしたり顔で試合を振り返った。

「入念に準備をし、自分たちの戦術プランをはっきりと理解できていた。しっかりと研究して今日使った戦術を生み出した。早めにプレスをかけてピルロに仕事をさせないようにすることが狙いだった。それが上手くいった」

 確かにこの日は戦術も上手くはまったが、戦術だけでは説明できないほど、今季はバイエルンの強さが際立つ。

 要因の一つは、高いレベルでの選手層の厚さにある。3日前のブンデスリーガ、ハンブルガー戦では9-2という信じられないスコアで相手を叩きのめした。シャキーリが1点、ピサロが4点、ロッベンが2点と、ユベントス戦のベンチメンバーで7得点を決めた。この試合を受けて、ビルト紙が行なった「ミュラーとロッベン、どちらを先発させればいいか」というアンケートでは、結果はぴったり五分に分かれた。そしてなんといっても昨季26得点で得点ランク2位のゴメスが、今季はマンジュキッチの控えに回っているのだ。

 ブンデスリーガでは後半戦10戦無敗。27試合を終えた現時点で78得点13失点と、圧倒的な数字をたたき出している。

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