【CL】ユーベを圧倒。今季のバイエルンが強い理由は?

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

ユベントスに快勝し、歓声に応えるバイエルンの(右から)マンジュキッチ、リベリー、ロッベンユベントスに快勝し、歓声に応えるバイエルンの(右から)マンジュキッチ、リベリー、ロッベン チャンピオンズリーグ準々決勝バイエルン・ミュンヘン対ユベントス戦。キックオフから25秒、早くもホームのバイエルンが先制に成功した。アラバのミドルシュートがディフェンダーの足にあたってコースが変わり、イタリア代表の守護神ブッフォンですら防ぐことができずゴールに吸い込まれた。バイエルンは奇襲に成功した。

 前半のボールポゼッションはバイエルン49パーセントに対しユベントスが51パーセント。互角にも見えるのだが、バイエルンはユベントスにボールは持たせても危ないシーンを作らせない。ユベントスの枠内シュートは0のまま45分を終えた。

 むしろ不運だったのはバイエルンのほうだ。前半16分にクロースが特に誰とも接触のないままピッチを去った。自らのアクションから右足付け根付近の筋断裂を起こし、少なくとも6~8週間の離脱とチームドクターの診断が下った。この先を考えると大きな痛手を負うことになった。代わりにロッベンが右MFに入り、それまで右でプレイしていたミュラーが中央へと移動した。高い技術とパスで周囲を生かすクロースに比べ、ミュラーはスペースを見つける動きと、スピード、ドリブルが持ち味であり、タイプは全く異なる。だが、それでもポジションチェンジはスムーズに行なわれた。

 後半はバイエルンが圧倒した。ほぼバイエルンが攻めたまま、ユベントス陣内での戦いとなる。ユベントスはピルロからの好配球で攻撃をスタートさせたいところだが、そこを抑えられたことで全てのリズムを崩したように見えた。バイエルンの追加点は63分。グスタボのシュートをブッフォンがこぼしたところをマンジュキッチが丁寧につなぎ、走り込んだミュラーが落ち着いて決めた。バイエルンはその後もセカンドレグを考え攻撃の手を緩めなかったが、追加点はならず、2-0で試合を終えた。

 ユベントスのコンテ監督はお手上げだった。

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