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【オランダ】大津祐樹、初スタメン「本当に今、スタートに立った」 (2ページ目)

  • 中田 徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

 その秘密は、ベルデン会長らによる投資ファンドにあった。彼らはMF本田圭佑、ナイジェリア人のFWアーメド・ムサ(ともに現CSKAモスクワ)、DF吉田麻也(現サウサンプトン)といったEU外国籍の若手タレント獲得にかかる費用と給料を出資し、選手がステップアップを果たした時の移籍金でリターンを得ている。また、利益の一部はクラブにも還元されている。クラブ予算とは別勘定だから、EU外国籍選手の獲得に、VVVの金銭的リスクはまったくない。すべてはベルデン会長ら、何人かの投資家がリスクを背負っているのだ。

 私財を投じているからこそ、ベルデン会長の目利きはシビアだ。本田や吉田と同様、大津にもしっかりとクラブで成功してもらい、大きく羽ばたいて行ってもらわないと、資金が焦げ付いてしまうからだ。

 言い換えれば、大津の未来をベルデン会長は買ったのである。ベルデン会長が本田、吉田、そしてカレン・ロバートの3人から学んだことがある。

「日本人選手がオランダに来て、すぐに活躍するのは難しい。サッカーも生活も、日本とはすべてが違うから。しかし、日本人の素晴らしいところは、逆境に強いという点だ。VVVで(本田)圭佑、(吉田)麻也、ボビー(カレン)は、決して最初から活躍したわけではない。だけど彼らは腐ることなく、みんな必ず這い上がってきた。私が日本人選手を獲得し続ける理由のひとつはそこだ」(ベルデン会長)

 第9節、10月21日に行なわれたフェイエノールト戦で、ようやく大津は初先発し、90分間フル出場を果たした。チームは2-3で逆転負けしてしまったが、大津は1アシストを記録した。

「タイミングよく仕掛けることができました。自分としてはポジティブな感じでいます。アシストにしても、オランダのサッカーに少し慣れてきました」(大津)

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