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元サッカー日本代表MFはなぜサラリーマンを選んだのか 「僕はこれが普通だと思っています」 (3ページ目)

  • 栗原正夫●文 text by Masao Kurihara

【元Jリーガーであることの強み】

 髙萩の名刺には「ソリューションデザイン部 リレーショングループ」所属とあるが、具体的にはどのような仕事をしているのか。

「リレーションなので、営業に近いです。いま、Jリーグで言えば、12クラブとカードコレクションの仕事をさせていただいていますが、クラブの担当の方とコミュニケーションを取り、関係値をよくしていくというか。こちらから提案させていただくこともあれば、逆に相談を受けることも。サッカークラブの場合、現役時代の自分を知ってくれていることが多いので、話がスムーズに進むこともあります。あとは部長クラスの方々と一緒にクライアントさんとの会食に同席させてもらうことも多いですね」

 パソコン操作など慣れない作業もあるが、営業やクライアントとの関係構築においては、元Jリーガーであることが強みになっている側面もあるようだ。

「自分を知ってもらっていると、こちらも話しやすいのはあります。VOLZでは、Jリーグクラブだけじゃなく、バスケットのBリーグやバレーボールのSVリーグ、野球やラグビー、卓球などさまざまなカードを扱っているのですが、もともとサッカー関係だった方が転職しているケースもあって、ミーティングで顔を合わせたら顔見知りだったということもあります。

 選手時代は顔と名前は知っていたものの、深い話をしたことはなかった。でも、いまは普通の仕事に就いて、コミュニケーションを取りながら一緒に食事に行ったりするのは新鮮ですし、楽しいですよ」

 そうした環境のなかで、会社員として働くことのメリットも感じている。

「個人事業主ではないので保障もありますし、安心感はありますね」

 スポーツ選手のセカンドキャリアと言えば、指導者や解説者、または飲食店など個人事業主の道が広く知られている。だが髙萩の例は、一般企業への就職という選択肢の可能性を示しているのかもしれない。

「サッカー選手は好きでサッカーをやってきて、それが仕事になった。多少辛いことがあっても、好きなことなので頑張れると思うんです。でも仕事が変わり、やらなきゃいけないことが好きなことでなくなった場合に、難しさを感じる人も少なくないのかもしれません」

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