元サッカー日本代表MFはなぜサラリーマンを選んだのか 「僕はこれが普通だと思っています」 (2ページ目)
【10社以上に応募し、面接に進んだのは2社】
「エージェントの方に自分の考えを掘り下げてもらいながら、職務経歴書を作ったり、どんな仕事をしてみたいかを考えました。選手時代は単身赴任という形を取らず、妻とふたりの子どもに移籍先にもついてきてもらうなど、振り回してしまいました。なので、引退後は家族サービスを含め、子どもが休みの時に一緒に時間を過ごせるような環境に身を置きたいと思いました。指導者にしてもフロントに入っても、サッカー関係の仕事に就いてしまうと土日はだいたい仕事になっちゃいますから(笑)。そういうなかで一般企業の会社員に行きついたわけです」
現役時代はスマートフォンやタブレットで動画を見る程度で、パソコンを使う機会はほとんどなかったという髙萩。一般企業への入社を目指すうえで苦労も少なくなかっただろうと想像できる。実際、10社以上に応募し、面接まで進んだのは2社だった。本人いわく「初対面の人と話すのは苦手で緊張するタイプ」だそうだが、面接には手こずったと笑う。
「(面接は)めっちゃ緊張しました。僕、ひと前で話すのとか、苦手ですから。選手時代にメディアやファンの前で話す機会が多かった? でも、そこで話すのは自分の経験談がほとんど。面接は、何を聞かれるかまったくわからないじゃないですか。しかも、それが合否に直結する。試合よりよっぽどプレッシャーがかかりました(笑)」
それでも3度の面接を無事に突破し、内定を勝ち取った。入社時に多くの既存の社員の前で挨拶した際も緊張感は変わらなかったが、入社から半年以上が過ぎた現在は、毎朝、通勤電車に揺られて定時に出社する生活が当たり前になってきた。平均年齢30歳前後という若い職場で、20代の社員も多く、周囲は年下の社員が多い環境だ。
「現役時代に選手会によるセカンドキャリアに向けたオンラインスクールなどを受けたことはありましたが、ビジネススキルやビジネスマナーをもう少し身につけておけばよかったと思うことはあります。ITの会社なのに、それこそエクセルやパワーポイントもまだ全然使いこなせないですし(苦笑)。
名刺交換も、現役時代はしたことがありませんでした。ただ、やってみれば、すぐに慣れますよね。もちろん、まだまだ覚えなきゃいけないことも多いですが、自分の場合はスポーツに関わる会社に入れたこともあって、経験や知識が生かせることも多いと感じています」
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