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【Jリーグ連載】東京V・アカデミーの実態「白いTシャツを着てサッカーやっていても、ヴェルディってわかるようじゃなきゃダメ」 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Masaki Asada

 さかのぼること12年前――。

 ヴェルディユースがプレミアリーグで全10チーム中9位に終わり、プリンスリーグ関東に降格となった2014年、ユースチームを率いていた冨樫剛一(現横浜F・マリノスユース監督)はシーズン途中、トップチームの監督に就任している。

 トップチームがJ2で下位に低迷していたとはいえ、ユースチームもまた崖っぷちに立たされていたなかで、苦渋の内部昇格だった。

 冨樫は、「もちろん、(降格の)責任を感じていた」と言いつつも、「落としてしまったことよりも、(トップチーム監督就任から)その後の半年、自分が指導できなかったことに関して、ずっと悔いていました」と語る。

「ここから(ユースチームを)どう立て直してやろうかと思っていたところで、そのまま(自分は)トップへ行っちゃったし、(ユースチームの中心だった)三竿健斗(現鹿島アントラーズ)とかもトップのゲームに使ったりしたことで、(ユースチームは)すごく難しい状況になって、プレミアリーグから落ちてしまった」

 しかも、冨樫がプレミアリーグで指揮したシーズン後半は、「三菱養和に7点ぶち込まれて(1-7で)負けたりしていたのに、僕はそのままトップに行っちゃった」。その後悔は、大きかった。

 とはいえ、冨樫はクラブを離れて以降も、「早く(プレミアリーグに)上がれるといいなって思いつつ、それでもヴェルディの力が下がっているとは思われていないことに、少しホッとしていました」という。

「(監督として年代別日本)代表にいて、いろんな選手を見ている時も、(スタッフ会議に)必ずヴェルディの選手の名前が挙がってくる。だから、プリンスリーグを戦っていたとしても、ヴェルディのブランドが落ちているなって感じたことはなかった。

 もちろん、(プレミアリーグに)戻れたらなおいいなとは思っていたけれど、それでもヴェルディがいいクラブであることに変わりはないなって思っていました」

 2024年からは横浜F・マリノスのユースチーム監督に就任し、敵としてヴェルディと対戦したからこそ気づいたこともある。

「(2024年の)プリンスリーグでヴェルディと戦って、あらためて嫌なチームだなって思いました。ちょっとしたことをズラしてきたりとか、盤上で教えていないことが試合で起きるんですよね。

 その感覚は、(U-20日本)代表でアルゼンチンと対戦した時とよく似ていて、(当時のU-20アルゼンチン代表監督のハビエル・)マスチェラーノに、日本とアルゼンチンの違いは何かと尋ねた時、『個人戦術にちょっと差があるね』と。それはヴェルディとやった時にもすごく印象に残ったことで、そこはあのクラブにおいて、ものすごく大事にしている部分なんじゃないかなって思います」

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