【Jリーグ】J1残り4試合 福田正博が想定する鹿島アントラーズと柏レイソルの「優勝への勝点」 (2ページ目)
【鹿島vs京都は最注目カード】
鹿島は今季、4月と6月に3連敗を食らった。普通なら3連敗を喫すればズルズルと順位を後退させるものだが、鹿島は2度の3連敗を乗り越えてきた。際立った強さがあるわけではないが、チームが苦しい時に粘り強く愚直に戦い、軌道修正して優勝戦線に戻ってきた。その経験がここから優勝へのプレッシャーが増大する最終局面で生きてくるはずだ。
重要なのは次節の京都戦だ。この試合に勝てば優勝にぐっと近づくだろう。ただ、3位の京都もすんなりと引き下がるわけではない。鹿島は京都に敗れると、勝点74に到達するにはラスト3試合で3連勝でのフィニッシュが必要になり、2勝1分けなら勝点73、1勝2分けなら勝点71となる。京都にとっては直接対決での結果次第では、優勝への可能性が再び見えてくるだけに、なんとしても勝点3を奪いにいくはずだ。
京都戦に負けた場合、鹿島の選手たちやサポーターを覆う空気は重いものになるかもしれない。優勝への重圧というのは、不安が大きくなっていくものだからだ。京都戦の次の3試合は、横浜FC(現18位)、東京ヴェルディ(現12位)、横浜F・マリノス(現17位)との戦い。順位を見れば力の差があるが、残留争い渦中の横浜の2チームとの対戦がある。慎重になりすぎると苦しむ展開もありえるだろう。
ただ、こうした想定は、鹿島にとっては杞憂かもしれない。なぜならJ1優勝を誰よりも経験している監督がいるアドバンテージがあるからだ。今季からチームを率いる鬼木達監督は、川崎フロンターレを率いた2017年から2024年までにJ1優勝4回。リーグ戦終盤の優勝争いの戦い方を熟知する監督の経験が、選手のみならず8シーズンも優勝から離れていたクラブスタッフやサポーターたちにとって、心強いものになるはずだ。
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