【Jリーグ】大混戦のJ1残留争いで下位最終順位を予想 残留・降格の境目は? (2ページ目)
【重要なのはどれだけ失点を抑えるか】
篠 幸彦(スポーツライター)
<残留予想>
15位:FC東京
16位:横浜F・マリノス
17位:名古屋グランパス
18位:湘南ベルマーレ
19位:横浜FC
20位:アルビレックス新潟
残留争いは現在13位までの清水エスパルスまでは、最後までわからない勝ち点差になっていると見ている。
そのなかで最下位予想になってしまうのが、現在最下位のアルビレックス新潟。一番の理由は当然ながら勝ち点20というポイントの低さ。残留圏まで現時点で勝ち点6は必要だが、その6ポイントが遠い。
この夏に積極的に補強し、ブーダやマテウス・モラエスという前線のタレントは、前節(第27節)鹿島アントラーズ戦でも強力なパフォーマンスを見せていた。しかし、残留争いで重要となるのは、どれだけ失点を抑えるか。
勝てなくとも失点を抑え、勝ち点1でももぎ取れるかが、最終的に効いてくる。その点で、後方の補強が薄いのは厳しい戦いを強いられるだろう。
横浜FCも勝ち点でわずかに新潟を上回っている状態で、厳しいと言わざるを得ない。なにより横浜FCを難しい立場にしているのは、FC町田ゼルビア、柏レイソル、鹿島アントラーズ、京都サンガF.C.と上位との対戦を4試合も残していること。しかもそのうち3試合がアウェー戦だ。
6ポイントマッチも新潟、湘南ベルマーレ、名古屋グランパスと残しているが、上位との対戦がこれだけあるとポイントを稼ぐのは至難の業だろう。
湘南は前節で横浜F・マリノスと入れ替わって降格圏に落ちた。同勝ち点だが得失点差で、横浜FMに上回られた。湘南が不利となるのはその得失点差の部分である。横浜FMの-8に対して、湘南は-20と大きく差が開いている。
リーグでは11試合も勝ち星から遠ざかっているわけだが、とにかく失点が多い。後期に入っても8試合のうち6試合で複数失点している。この失点の多さは、残留争いにおいて厳しく、補強でも補えていない。
名古屋は一時調子を上げたかに思えたが、ここにきてリーグ4連敗と失速。降格圏とわずか3ポイント差に迫られている。DF藤井陽也が復帰し、どれだけ守備の安定を取り戻すことができるか。
横浜FMは今季大不振に陥ってきたが、守備の安定感を取り戻してきていることが、ここからの戦いで大きな後押しになるだろう。後期に入って11ポイントと急激に勝ち点を稼いできている。
ただ、上位との対戦を5つ(ヴィッセル神戸、柏、サンフレッチェ広島、京都、鹿島)も残しているため、決して安心できるような状況ではない。それでも守備が整ってきたことで、残留は大いに近づいたと見ている。
FC東京は長倉幹樹の加入によって、攻撃面は改善されてきているが、守備の安定感は欠いている。そこがひとつ上の東京ヴェルディと大きく違うところ。前述している通り、残留争いは守備で粘れるかが大きなポイントだ。
降格圏と勝ち点が5ポイント差あるとはいえ、15位~18位は逆転する展開はいくらでもあるだろう。
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