【Jリーグ】熾烈な残留争いで監督交代もそろって内部昇格だった下位3チームは変われるか (2ページ目)
【戦いの中身は変わっていない横浜FM】
「リバプール戦はいい思い出にするのではなく、成長につなげられるように」
横浜FMの主将、喜田拓也はリバプール戦後にそう語っていたが、一丸となって戦うことで生き残る道は見えてくるだろう。
「よくオーガナイズされたチームで、インテンシティは高く、集中力も高かった。ロングボールに逃げる戦いは好きじゃないが、彼らはボールを大事にしていた。残りのシーズン、十分に成功できる」
リバプールのアルネ・スロット監督は、お世辞もあるだろうが、賞賛の言葉を送っていた。
ただ、横浜FMは戦いの中身が大きく変化したわけではなく、舵取りの不安定さは否めない。直近の2勝1分けの結果はすべて下位が相手だった。ただ、守備は最悪の状態を脱しつつある。ケガ離脱だったジェイソン・キニョーネスが復活し、朴一圭も守護神の座に戻った。また、左利きディフェンダーの角田涼太朗も2023年以来の復帰が決まった。ケガも多く一概に"凱旋"とは言えない状況だが......。
夏場の厳しい戦いに向け、選手層の厚さは武器だろう。新たに獲得したイスラエル代表FWディーン・デイビッドは吉凶、どちらに転んでも命運を握る。個人的には、プレーセンスを感じさせる山根陸が大化けすることを望むが......。
現時点で、横浜FMの直接のライバルは湘南になる。
山口智監督を中心にした湘南は、これまで何シーズンも降格候補に指名されながら生き残ってきた。その"粘り強さ"は特筆すべきものがある。しかし、シーズン半ばでGK上福元直人がアキレス腱断裂の大ケガで戦列を離れ、鈴木淳之介(→コペンハーゲン)、福田翔生(→ブレンビー)、畑大雅(→シント・トロイデン)と3人の主力が移籍した穴は埋められるのか。
率直に言って、横浜FC、新潟の残留争いはかなり苦しいだろう。監督交代をカンフル剤にしたいところだったが、どちらも内部昇格の人事を決断。これで浮上のきっかけをつかむのは現実的に難しい。
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