【クラブワールドカップ】「とんでもなく疲れた...」インテルの選手たちが語る浦和レッズ戦 (3ページ目)
【浦和に欠けていた戦略】
筆者は日本のサッカーを30年以上追っているが、日本のチームが世界の舞台で、強豪と言われるチームと対等に戦おうとしていた姿勢には素直に感動した。昔ならば考えられないことだろう。しかし同時に、監督の采配には首を傾げた。監督は本当に自分のチームを理解しているのだろうか? と。ボタフォゴ(今大会、グループリーグを2位通過)は日本のチームよりずっと資金が少ないが、それでも自分のチームというものがわかっている監督がいる。
試合後、サミュエル・グスタフソンなど英語ができる選手3人に話を聞いたが、彼らは口をそろえて「われわれは死力を尽くして戦ったが、最後はやはりインテルのほうが上だった。われわれにはどうしようもなかった」と言う。それはわかっている。では聞きたい。なぜインテルのほうが上だとわかっていながら、対等な戦い方をしたのか?
インテル戦も、浦和は初戦同様、守備を固めていなかった。いいところまではいくのだ。リーベル戦では2-1と差を詰め、2-2にできそうになったのに3-1で負けた。インテル戦では1-0とリードしていたのに、1-2で負けた。これは何を意味するのか。ゴールをする力はある。しかし守りきる力がない。点を取る力がないなら仕方がない。しかしそれはあるのだ。それでも最後には負けるのは、やはり大きな国際大会での戦い方がわかっていないのではないかと思ってしまう。
もし監督が本当にチームをわかっていたなら、最初の2試合でこれほど攻め上がらない。3戦目はグループで一番弱いモンテレイだ。サッカーをわかっている人間なら、初めの2試合では引き分けを目指し、3試合目で勝利を狙う。リーベルやインテルと同等にやり合おうとは思わない。
浦和には戦略というものがなかった。本当に勝ち上がりたいのなら、戦略は不可欠だ。サッカーは足だけでプレーするものではない、頭でもプレーするものだ。いいプレーも見せたし、果敢に強豪に立ち向かってもいた。しかし次には進めない。これはプロの戦い方ではない。インテルとリーベルは強い。その両チームからゴールを奪う力はあるのだ。
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