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三浦知良は前人未到の領域へ、たったひとりで... 58歳プロ40年目も「いつもと変わらず、元気よく、楽しく、厳しく」 (2ページ目)

  • 戸塚 啓●取材・文 text by Totsuka Kei

【思い出の三ツ沢でカズの気持ちは...】

 試合会場となったニッパツ三ツ沢球技場は、かつて所属していた横浜FCのホームスタジアムである。さかのぼればJリーグ開幕以前から、三ツ沢ではプレーしている。ブラジルから凱旋帰国して読売クラブに加入したシーズンの日本リーグ開幕戦も、このサッカー専用スタジアムで開催された。

 カズ自身は感傷的な気持ちと遠いところにいた。

「横浜FCでプレーしていた当時を思い出しながらとか、昔のことを思い出すという気持ちでここに入ってこなかったので。今日のこの試合、鈴鹿の選手として勝つ、ということだけで。自分はこういう場面で出るんだろうな、ということを考えていたので、過去のことを思いながらというのはなかったですね」

 スタジアムについて触れたのは、ピッチコンディションである。

「芝生の状態もよかったですし、お客さんもたくさん声援を送ってくれたんでね。もう少しね、自分たちが攻撃の形を作れればよかったんですけど」

 最初のひと言は、実は聞き逃せない。

 JFLで使用されるスタジアムは、サッカー専用や球技専用ではなく、運動公園の陸上競技場などが多い。多目的に使用されるため、時にはデコボコが目立つこともあるのだ。

 この日の勝利で3戦負けなしとした鈴鹿は、5勝3分4敗の白星先行で16チーム中6位につけている。首位のラインメール青森、2位の沖縄SVとは勝ち点7差だ。リーグ全体の順位が詰まっているため、連勝すれば一気に順位を上げていくこともできる。

「順位を少しでも上げていきたいですし、連勝していければね、気がついたら上にいるっていう感じになると思うんですけど。1試合勝つのはホントに大変なので、それを積み重ねていくだけなので。あまり先のことよりも、ホントに目の前の試合に集中してやっていきたいなと思います」

 ピッチに立つたびに、最年長出場記録が更新されていく。今回は58歳109日での出場となった。

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