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【Jリーグ】J1で早くも苦戦中の下位クラブ 守備が崩壊、終盤に失点...序盤にして正念場

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko

J1開幕5試合分析 後編 今季苦戦のクラブ

 J1リーグは開幕5試合で今季の躍進を期待させるクラブがある一方で、苦戦の連続で結果が出ずに早くも立て直しを迫られているクラブも多い。序盤にして正念場を迎えている。

前編「開幕5試合でわかった今季期待のクラブ」>>

【最下位の名古屋は守備の立て直しが急務】

 1試合の結果で順位がすぐに入れ替わってしまうこの序盤で、苦しんでいるクラブを選ぶのは正直難しい。今は勝ち星に恵まれていなくても、何かをきっかけに連勝を重ねる可能性がどのクラブにもあるのがJリーグである。

 そうした前提を踏まえ、苦戦しているクラブを挙げるとすれば、まずは現在最下位の名古屋グランパスになる。名古屋はここまで5戦2分3敗と未勝利で勝ち点2。苦戦している一番の要因が、5試合で失点12という守備にあることは一目瞭然だ。開幕から全試合で失点し、そのうち最初の4試合で複数失点をしていれば勝てないのも仕方ない。

名古屋グランパスは開幕5試合で未勝利と苦しんでいる photo by Getty Images名古屋グランパスは開幕5試合で未勝利と苦しんでいる photo by Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る 昨季全体で見ると、失点47は8番目に少ない失点数で悪くない数字である。ただ、昨季終盤は失点がなかなか止まらず、ラスト5試合で1勝1分3敗、8失点を喫している。守備に問題を抱え、今オフには守備面の補強もしたが、まだ改善できていない。

 当然ながら被ゴール期待値は一番高く、被シュート総数も1位と毎試合のように多くのシュートを浴びている。試合ごとにメンバーの入れ替えも多く、まだ攻守にチームとしてのやり方が浸透していない、あるいは定まっていないかのように映る。

 ただ、開幕戦を除けば、複数得点は第2節のヴィッセル神戸戦のみだが、4試合で得点が取れている。徳元悠平といういいキッカーがいて、セットプレーは大きな武器だ。その強みを勝ちにつなげるためにも、ここから守備をどう立て直していくのかが求められる。

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著者プロフィール

  • 篠 幸彦

    篠 幸彦 (しの・ゆきひこ)

    1984年、東京都生まれ。編集プロダクションを経て、実用系出版社に勤務。技術論や対談集、サッカービジネスといった多彩なスポーツ系の書籍編集を担当。2011年よりフリーランスとなり、サッカー専門誌、WEB媒体への寄稿や多数の単行本の構成を担当。著書には『長友佑都の折れないこころ』(ぱる出版)、『100問の"実戦ドリル"でサッカーiQが高まる』『高校サッカーは頭脳が9割』『弱小校のチカラを引き出す』(東邦出版)がある。

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