梅崎司が浦和レッズで過ごした10年間「埼玉スタジアムが揺れる感覚は、ほかには代えがたい瞬間」 (2ページ目)
【豪華なメンツにビビりながらも...】
── それは意外です。
「引退するにあたって、サッカー選手としての自分を振り返った時、そんなに器用な選手ではなかったな、と。ただ、それでも自分の武器を見つけて、そこを磨きまくって何とか生き残り、そして未来を切り拓いてきたように思います。
だから、浦和レッズ時代もそうした環境で、自分にできることを広げるよりも、自分の長所を突き詰められたことが大きかったように思います。そこには若いころに出会った指導者の影響もありました」
── それは、どなたですか?
「(ペリクレス・)シャムスカ監督です。おそらく大分でシャムスカ監督に出会わなければ、プロ2年目に大きく飛躍することもなかったと思っています。
彼と出会えたこと自体が人生の転機になりましたし、同時に長所に目を向けるきっかけになりました。浦和レッズに移籍した時も、豪華なメンツにビビりながらも自分の長所で勝負してやると思えたのは、そうした原点があったからだと思っています。
当時は闘莉王さんをはじめ、周りからたくさん指摘されましたからね(笑)。でも、そこに負けていたら何も残せないし、前にも進めない。毎回、いい精神状態ばかりではなく、時には悩んだり、迷ったりすることもありましたけど、試行錯誤しながらも前進し続けられたのは、シャムスカ監督と出会って教わったマインドによるものだと思います」
── 浦和のファン・サポーターから支持されていたのは、もがきながらも前に進もうとする、戦おうとする姿勢にあったように思います。
「本当に応援し続けてくれた浦和のファン・サポーターには感謝しています。ありがたいですよね。僕自身は決してスーパーな選手ではなかったし、コンスタントに活躍できたわけでもない。たくさんケガもしたし、その影響からいい時と悪い時の波も激しかった。それでも振り返った時、本気で応援してもらっていたなって」
2 / 4