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【高校サッカー展望】東福岡vs前橋育英、流通経済大柏vs東海大相模――激戦を制してファイナルへ進むのは? (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki

 その東福岡と準決勝で対戦するのは、プレミアリーグEAST6位にして、7年ぶり2回目の優勝を目指す前橋育英である。

 今大会4試合のうち、2試合が1点差勝利、1試合がPK戦による勝ち上がりと、前橋育英もまた接戦をものにしながら国立までたどりついたが、その戦いぶりは東福岡とは対照的。こちらは4試合8得点と、打ち合いを制してきた。

 とりわけ頼れる得点源は、エースストライカーのオノノジュ慶吏だ。

 プレミアリーグEASTの得点王でもある背番号8は、今大会ここまで4ゴールを記録。しかも、ワンタッチで合わせてよし、前を向いて自ら持ち込んでもよしと、左右両足で多彩なゴールパターンを見せているのは心強い。

 東福岡の堅守をオノノジュがこじ開けられるか否かは、勝敗の行方を左右する大きな要素となるだろう。

 続いては、プレミアリーグEAST4位の流通経済大柏だが、おそらく現時点で最も優勝に近い位置にいるのは、この高校だろう。

 3回戦では、プレミアリーグWEST王者にして、東西の優勝チームが対戦するプレミアリーグファイナルも制している大津を2-1で撃破。この優勝候補同士の一戦は、技術、戦術はもちろん、プレー強度の高さにおいても、今大会ベストマッチの呼び声が高い。

 佐賀東を5-0で一蹴した大会初戦(2回戦)、上田西を8-0で圧倒した準々決勝も合わせ、3試合15得点のすさまじい攻撃力は、今大会で群を抜いている。

 その先頭に立つのが、スピードに優れた山野春太。DFラインの背後へ抜け出し、相手ゴールへ向かってグングンと加速していく背番号9は、3試合連続の計4ゴールを決めている。

 とはいえ、和田哲平、亀田歩夢がともに今大会3ゴールずつを決めているように、どこからでもさまざまな形で得点できるのが、流通経済大柏の強みである。3回戦で"事実上の決勝戦"を制した優勝候補は、実力的に頭ひとつ抜けていると見ていいだろう。

 そんな難敵に挑むのが、ベスト4のなかでは唯一の初出場校である東海大相模だ。

 同校はこれまで夏の全国高校総体こそ今年度も含めて4度の出場があるが、最高成績はベスト16。全国的に見れば、強豪と呼ばれる存在とは言い難い。

 しかも他の3校と違い、東海大相模が所属するのは、神奈川県1部リーグ。頂点のプレミアリーグから数えると、3つも下のカテゴリーになるのだから、"看板"では明らかに見劣る。

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