高校サッカー選手権で目立っている「分析」の力 監督・スタッフは試合後も休まず映像チェック (3ページ目)
【強いチームは対策されても打開できる】
プレミアリーグに所属するチームは試合が中継される機会も多く、対戦したチーム同士で映像の共有もしているため、他チームに見られる回数も多い。「僕らは露出が多い」と山城朋大監督が話した大津(熊本県)は、今大会でも特に対策されたチームだろう。
それでも、「相手がどう対策してくるのか、やってみないとわからないのですが、大津の強みを消されるのは想定して、ふたつ目、三つ目の攻撃の狙いどころは準備してきた」(山城監督)とのことで、徹底的に対策されても1、2回戦は突破できた。
しかし、3回戦で対戦した流通経済大柏(千葉県)は、そう簡単に攻撃をさせてくれなかった。そして、大津が前から奪いに行くようなボールの動かし方をして、空いた背後のスペースを狙う形でゴールを奪ったのは流石だった。
敗戦を受けて、山城監督はこう口にする。
「対策を上回るボールの動かし方や崩し方を追求しないといけない。それに、勝ち上がっているチームは、研究されても打開できる個の力を持った選手がいる気がします」
ベスト4に進んだチームは、相手に対策されても臨機応変に対応できるうえ、対策を個の力で打開できる選手も揃っている。準決勝、決勝も、見どころの多い試合になるのは間違いない。
著者プロフィール
森田将義 (もりた・まさよし)
1985年、京都府生まれ。10代の頃から、在阪のテレビ局でリサーチとして活動。2011年からフリーライターとしてU-18を主に育成年代のサッカーを取材し、サッカー専門誌、WEB媒体への寄稿を行なう。
【写真&選手紹介】第103回全国高校サッカー選手権大会の注目選手たち
3 / 3