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J1連覇を狙うヴィッセル神戸のスタジアム 半世紀前に世界的スーパースターも感嘆した芝の美しさ (4ページ目)

  • 後藤健生●文 text by Goto Takeo

【すばらしい芝生の記憶】

 神戸では居留地のすぐ東側、生田川(現在のフラワーロード)沿いに東遊園地という外国人用の公園が造られた。今では毎年、震災関連の追悼行事が行なわれることで有名だが、かつては芝生のグラウンドが設けられており、クリケットやフットボールに使用されていた。すばらしい芝生だったらしい。

 初めは外国人専用の公園だったが、その後、日本人チームも使用できるようになり、第2次世界大戦後まで使用されていた。だから、昔から神戸、あるいは関西のサッカー人にとっては美しい芝生の上でプレーすることが普通だったのだ。

 御崎サッカー場に美しい芝生が実現したのは、その記憶のせいだったのかもしれない。

 なお、神戸にはJSL時代からトップリーグのチームはなかったが、御崎サッカー場はヤンマーディーゼル(セレッソ大阪の前身)の試合に使用された。1981年11月にあの釜本邦茂がJSL通算200ゴールを決めたのも御崎サッカー場での本田技研戦だった。

 その後、御崎サッカー場は1995年の大震災で大きな被害を受けたが、2002年W杯を前に全面改築され、現在は「ノエビアスタジアム神戸」となり、王者ヴィッセルのホームとなっている(ACLなどでは「神戸市御崎公園球技場」と呼ばれる)。

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著者プロフィール

  • 後藤健生

    後藤健生 (ごとう・たけお)

    1952年、東京都生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。1964年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、1974年西ドイツW杯以来ワールドカップはすべて現地観戦。カタール大会では29試合を観戦した。2022年12月に生涯観戦試合数は7000試合を超えた。主な著書に『日本サッカー史――日本代表の90年』(2007年、双葉社)、『国立競技場の100年――明治神宮外苑から見る日本の近代スポーツ』(2013年、ミネルヴァ書房)、『森保ジャパン 世界で勝つための条件―日本代表監督論』(2019年、NHK出版新書)など。

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