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川崎フロンターレ退団発表のFWゴミスが日本を語る「どこに行っても驚くほどに美しい」 (2ページ目)

  • 井川洋一●取材・文 text by Igawa Yoichi

【どこに行っても驚くほどに美しい】

 埼玉でアジアの頂点を極めた時は、試合に集中していたので、準備以外のことはほとんど何もしなかったという。だが2度目の来日を果たすと、すぐにこの国のことが好きになっていった。

「私は松井(大輔/今年引退)や酒井(宏樹/現オークランドFC)、長友(佑都/現FC東京)とともにプレーしたことがあるので、日本人のすばらしさは元から知っていた。他者を敬い、規律を守り、遅刻をせず、更衣室を綺麗に使う。選手としては、スキルフルかつ利他的で、チームのためにプレーする。彼らは各チームのロールモデルだった。日本で生活してみて、それがこの国のスタンダードだということが、よくわかったよ」

 この1年ほどの間、時間ができれば、様々な場所に行って、日本を堪能した。

「東京、京都、奈良、大阪、沖縄、富士山......どこに行っても驚くほどに美しい。人々はとても親切だし、エネルギーも感じるよ。寿司や焼肉、ラーメン、鉄板焼きなど、日本食はどれを食べても本当においしい。日本は想像以上にすばらしい生活のある国だね。川崎からのオファーを承諾したのは、私のキャリアにおける最高の決断のひとつだったよ」

 ゴミスのソーシャルメディアには、秋葉原でスーパーマリオと一緒に撮った写真がアップされている。日本のポップカルチャーについて尋ねると、彼はこう続けた。

「案内してくれる人がいろんなところに連れていってくれるんだけど、秋葉原も面白かったね。マリオも好きだよ。ただ、私にとって日本のポップカルチャーといえば、『オリーブとトム』、そう『キャプテン翼』だ。子どもの頃、よくテレビでこのアニメを観ていたよ。私が好きだったのは、主人公のオリーブ(翼)。ストライカーのライバルはマーク・ランダースという名前なんだけど、日本では何て言うの?」

 それが日向小次郎と伝えると、ゴミスはフランス語訛りで繰り返していた。時には寺や神社を訪れて、日本の伝統や文化を肌で感じたという彼は、この国で充実した日々を過ごしてきたという。ただし、フットボーラーとしては「最高とは言えない」と続ける。

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